空調大手ダイキンを襲った“誤算”→カリスマ経営者が去って1年後・・・有望だった海外市場が急失速、業績停滞で株価は3年ぶり安値圏で正念場
国内の大手メーカーが業績不振に沈む中で、ダイキンの成長を支えてきたのは海外市場での成功だった。近年ではアメリカも大きな市場に育っている。2012年に現地同業のグッドマンを約3000億円で買収。住宅用のエアコンでトップシェアのグッドマンをテコに、「北米空調ナンバーワン」という目標を掲げた。
毎年10%を超える高い成長率を誇ってきた海外市場だが、足元では異常を来している。2025年度見通しでは、売上高の成長率で10%を超える市場がない。為替の影響を除いたベースでは米州がプラス13%、アジアがプラス10%となるが、過去と比べると物足りない水準だ。
竹中社長が引き継いだ“宿題”
これまでダイキンは日本経済の「失われた30年」と言われた1990年代から2020年代にかけて、売上高を大幅に伸ばしてきた。
2代前の社長で、現在は名誉会長兼グローバルグループ代表の井上礼之氏が決断した中国市場への本格進出で、先行していたほかの日本メーカーをも押しのけて成功。外国人を含めた投資家から高く評価されてきた。
15年近く前から、ダイキンはエアコンを作って売るという「もの売り」のビジネスだけではなく、継続的な収益につながる「ソリューション」を中心としたビジネスを強化する方針を打ち出している。当時のCEOは井上名誉会長だった。

その井上氏は2024年6月の定時株主総会をもって取締役を退任。役員在任期間にして40年超の長期政権に区切りを付けた。カリスマが第一線から退くのと同時に、社長に就任したのが竹中直文現社長である。
カリスマが去ったダイキンはアメリカで失地回復を成し遂げ、市場からの信頼を回復できるのか。就任から1年が経過した竹中社長は、井上名誉会長の残した“宿題”に向き合っている。
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