「若手と話が通じない」のハードルを乗り越えるためにすべき事――「よい対話」を実現するために必要なマインドセット5つ

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しかし、「受け止め」ても、「受け容れない」ことが重要です。

「なるほど、どうなんでしょうね」などといった言葉を挟み、肝心の「判断」自体は明確にせず、保留しておくわけです。そのうえで、たとえば「あれ、それって、こういう場合でも同じですかね?」といった問いを発してみます。

つまり、相手に対して「こちらがおかしいと思っているポイント」を、それとなく気づいてもらえるような問いかけをしてみるのです。

これなら、間接的な仕方ではあっても相手の間違いに最低限「応答」することができますし、何よりも嘘をつくこと、対話的でない姿勢になってしまうことを、まずは避けることができます。

「人それぞれ」をやめる

3つ目のマインドセットが「合意や結論に至らなくてよいが、それをあきらめないこと」です。

「哲学には答えがない」と言われることもありますが、「答えがすぐに出るとは思えないこと」と「答えがなくていい」ということは、明確に区別するべきです。

「もしかすると究極的に合意できる答えがどこかにあるかもしれない」というマインドセットで対話に臨むことが、対話の条件になるのです。

なぜなら答えはなく「人それぞれ」であるなら、相手の話を真剣に聞く必要はないからです。そうすると、自分の思っていることを言うだけで対話にはなりません。相手の言っていたことで自分の意見も変わるかもしれない、何か新しい合意や結論を目指すからこそ、真剣な対話になるのです。

4つ目のマインドセットは、「話すことよりも聴く/訊くことを優先すること」です。

対話において重要なことは、「話すこと」より「聴く/訊くこと」です。

まず注意したいことは、ここで大切なのは単なる「聞く」ではないことです。「聞く」とは「単に何かが音として感じられる」という程度の意味を含みます。人の話を音声としては聞いていても「聞き流して」いて、実際には「聴いていない」「訊いていない」ということが頻発します。

まず、「聴くこと」から考えましょう。これは本来「注意深く耳を傾けること」「しっかりと意識を向けて傾聴すること」を意味する語です。「聴く」ことができるためには、話者が優先して重みづけている話題や意図、ニュアンスを正確にくみ取ることが必要です。

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