日本企業に巣くう「クローニー資本主義」の問題点とは?「身内ノリ」が非合理的な経営戦略を招いている!

コングロマリット経営の罠
コングロマリット形態の企業は各国に存在しますが、日本の場合は特に、多角経営から脱却するスピードが他の先進国市場に比べて見劣りするようです。その背景には、日本企業に特有の「クローニー資本主義」的な体質があると考えられます。
クローニー資本主義とは「お仲間資本主義」とも訳されるように、閉鎖的なコネクションや家族関係を軸として構築された経済体制を意味します。
本来は国家レベルの内向き志向というニュアンスがありましたが、企業においても「身内ノリ」が非合理的な経営戦略を招いているような状況を、クローニー資本主義的と評することがあります。
実際のところクローニー資本主義的な経営体制は、創業期から一定期間に限って言えば、ある種の統率力によって企業を大きく成長させることがありますが、長期的に市場の評価を安定させ、企業を持続的に成長させる上では大きな足枷となります。
理屈では、コングロマリット形態の企業は同じ本業分野でしのぎを削る他社を打ち負かす競争力を維持することが難しいため、自然と淘汰されていくはずです。株価の調整局面や金融システムに対する危機感の高まりなど外的な要因が加われば、優勝劣敗のメカニズムはさらに加速すると考えられます。
にもかかわらず日本国内においては、いくつもの危機を通過した現在もなお、多角経営企業の解体が道半ばにとどまっています。果敢に事業構成を見直す例は全体の一部であり、取り組みの進捗はグループごとにまちまちです。
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