親が斜視かどうかを見極めるのは難しい。さらに、本人に見え方についての自覚症状がなく、言葉で訴えることができないのも、発見を難しくしている要因となっている。
佐藤医師は「少しでも左右の視線がずれていると感じたり、乳幼児健診で『斜視の疑い』と指摘されたりしたら、必ず眼科を受診してほしい」と強調する。
斜視の検査と治療法
■斜視の検査
眼科では、両眼の位置関係のずれを調べる遮閉試験を実施して、斜視の有無を確認する。
遮閉試験は片眼を隠して眼球の動きを観察するというもの。そのほか、視力検査や遠視などを調べる屈折検査のほか、先天性の白内障や網膜芽細胞腫など、隠れた病気がないかどうかを確認する。
赤ちゃんのときは、眼科医でも斜視かどうかを見極めるのは難しく、1回の診察ではわからないこともあるという。また、外斜視の場合は疲れたときや眠いとき、体調が悪いときだけ視線がずれるので、診察時に斜視が見つからないケースも多い。待合室で寝てしまったり、診察室で泣いてしまったりして検査ができないこともある。
「ですので、受診される際には、斜視になっているときの顔を撮影した写真や動画を医師に見せることをおすすめします」(佐藤医師)
斜視は眼科であれば、基本的にどこでも診断できる。ただし、治療が必要な場合や、3歳以下で検査がうまくできない場合には斜視を専門的に診ている医療機関を紹介されることもある。
日本弱視斜視学会のホームページには、弱視・斜視を専門とする医師の一覧が掲載されているので、参考にするといいだろう。
■斜視の治療法
先天白内障や網膜芽細胞腫など目に異常があれば、その治療を優先する。一方、目に異常がない斜視の治療は、生まれつきの斜視か遠視が斜視を引き起こしているのかによって異なる。