<東大卒→漫画家→警備員>異色の人生を歩む男が「年収230万円の生活」を謳歌――学歴を詐称してまでこの仕事にこだわる理由
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「駒場寮時代にバリケードを挟んでにらみあっていた警備員に自分がなったと思うと、なんだか面白い」と齋藤氏は語る(写真:齋藤さん提供)
東大文学部卒、年収230万円。学生時代に大学と闘っていた彼は、なぜ自ら望んで地下街の警備員になったのか? 東大卒のノンフィクションライター・池田渓氏が「東大卒業生らしくない人たち」の人生を追ったルポルタージュ『東大なんか入らなきゃよかった』。
単行本に大幅加筆・増補された文庫版から、一部抜粋・再構成してお届けする(全3回の2回目)。
画力を磨いて漫画家に
東大文学部歴史文化学科に所属していた齋藤洋介さん(インタビュー当時44歳)は、卒業が決まっても就職活動はしなかった。「新卒一括採用」という日本社会の慣習に対する反発からだった。
「企業に就職しないにしても、なんらかの経済活動をしないと生活ができないよね。だったら物書きでもやろうと思って、漫画を描くことにしたんだ」
東大卒でありながら現在は警備員として働く齋藤さんの、さらに意外な過去だった。
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