【朝ドラ あんぱん】やなせたかし「軍隊で居眠り」驚く顛末 下士官になったやなせだが、思わぬ仕事が待ち受ける

小倉で入隊したやなせ。写真は小倉城(写真:grandspy / PIXTA)
NHKの連続テレビ小説「あんぱん」が、放送回を重ねるごとに注目を集めているようだ。漫画家のやなせたかしと妻の暢(のぶ)をモデルにした物語である。やなせたかしといえば、子どもたちに人気の「アンパンマン」の作者として知られているが、ブレイクしたのは69歳のとき。30代でマンガ家デビューを果たして以来、長く不遇の時代を経験している。遅咲きだったやなせたかしは、いかにして飛躍したのか。『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』の著者で偉人研究家の真山知幸氏が解説する。
顔が変形するほど強烈なビンタを浴びる日々
やなせたかしは東京高等工芸学校工芸図案科を卒業後、東京田辺製薬の宣伝部に入社。「育ての親」である伯父・寛との突然の別れも乗り越えて、グラフィック・デザイナーとして、刺激的な毎日を送っていた。
だが、会社員生活は1年足らずで終わった。日中戦争が泥沼化するなか、軍へと召集されたのである。1941(昭和16)年、やなせは21歳で軍隊に入ることになった(記事「【朝ドラ あんぱん】やなせたかし「軍隊検査官」の酷い一言 ひとりぼっちのやなせは泣きながら「脱走宣言」を漏らす」参照)。
やなせが配属されたのは、福岡県の小倉にあった野戦重砲の第6連隊補充隊だったという。高知生まれのやなせにとっては、友人もいなければ、地理もつかめず、言葉のなまりも理解できない。
過酷な軍隊生活の始まりを、やなせはこう振り返っている。
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