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【朝ドラ あんぱん】やなせたかし「軍隊で居眠り」驚く顛末 下士官になったやなせだが、思わぬ仕事が待ち受ける

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  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)
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「その気になってみると軍隊は簡単だった。きめられたことだけやればいい。あまり自分で考えなくていい。はじめには何のことか解らなかった一見難しそうなことも、コツをおぼえればなんでもない」

入隊が決まったときには「おそらく1カ月とはもたず脱走する」と友人に漏らしたやなせだったが、意外と適応できていることに、自身でも驚いたことだろう。

ただ、そうは言っても、やなせが所属した「野戦銃砲」ならではの大変さもあった。野戦で機動力を持つ大砲としては、最も大きい口径を持つものを扱わなければならない。馬で大砲を牽引するため、馬の手入れも重要な任務の1つだ。馬が寝るための藁を用意して、食事も馬にまず食べさせなければ、自分が食べることはできなかったという。

しかし、やなせにかかれば、そんな任務もまた「ほかよりはましだ」と思えたようだ。次のように振り返っている。

「(馬の世話は)大変な重労働だったが、演習になると、歩兵は大変だが、砲兵は後方陣地でドカン、ドカンとやってればいいので楽だった」

うっかり居眠りをしてしまった

ある日、やなせは病馬棟で寝ずに番をする役目だったにもかかわらず、うっかり居眠りをし、上官にとがめられてしまった。そのせいで予備役士官となる「甲種幹部候補生」(甲幹)と、予備役下士官となる「乙種幹部候補生」(乙幹)に区分されるとき、やなせは乙幹になってしまったという。

中隊長からは「成績は中くらいで合格だったが、居眠りが原因だ。気を落さずに頑張れ」と声をかけられたが、やなせ自身は「乙幹で十分」と考えていたらしい。その後、軍曹になったやなせは、思わぬ隊に派遣されることになる。

それは「暗号教育隊」といい、乱数表を足したり引いたりするのが、仕事だったという。昔から算数は苦手だったが、「久しぶりに頭脳労働するのは楽しかった」とのちに振り返っている。

居眠りをして上官にみつかるという失態さえも、なんだかんだでプラスに変えてしまう、戦場でのやなせ。軍隊に入って2年が経つ頃には、中国へと派遣されることになる。

そこでも思わぬ運命が待ち受けていた。やなせは紙芝居を作って村々を回ることになるのだった。(つづく)

【参考文献】
やなせたかし『人生なんて夢だけど』(フレーベル館)
やなせたかし『ボクと、正義と、アンパンマン なんのために生まれて、なにをして生きるのか』(PHP研究所)
やなせたかし『何のために生まれてきたの?』(PHP研究所)
やなせたかし『アンパンマンの遺書』 (岩波現代文庫)
梯久美子『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』 (文春文庫)
真山知幸『天才を育てた親はどんな言葉をかけていたのか?』(サンマーク出版)

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