「またグエンかって言われると...」「もっと働けたら余裕のある暮らしができるのに」ベトナム人女子留学生が漏らす”日本での暮らし”の本音

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「でも、そしたら税金が増えるよ……」

ハさんがぼやく。アルバイトの彼女たちも当たり前だが、収入に応じた税金や各種保険を支払っている。もし払わなかったら在留資格の更新に支障が出る。週28時間を超えて働いていることが発覚しても同様だ。日本には学びに来ているのであって、留学生は働くことが本分ではないという国のタテマエは最もだろう。だからアルバイトできる時間に制限を設けてある。

一方で、厚生労働省が発表している外国人労働者数の統計では、「留学生」もカウントされているのである。この国の政府は留学生を「労働者」とみなしているのだから、もう少し緩和してもいいのではないかとも思うのだ。

外国人が社会を支えている状況についてどう思うのか、2人に聞いてみた。するとリンさんが口を開いた。

「ありがたいです。本当にありがたいと思う。まだ日本語がそれほどわからないときでも採用してもらったこともあるし、職場の日本人から差別されたこともない」

人手不足だから外国人でも働く場所があることに感謝しつつも「でも」とリンさんは続ける。

「もしなにか間違ったことをしてしまったら、ちゃんと教えてほしい」

ミスをはっきり指摘せずに黙ったまま、イライラを抱えてそれを態度に出す人もいる。日本人の悪いクセだ。そうではなく、すぐにその場で指摘してくれたほうが、お互い気分よく働ける。

VYSA(在日ベトナム青年学生協会)の交流

バイトと勉学で忙しい毎日を送る彼女たちだが、日本での青春もめいっぱい楽しんでいる。

大学も年齢も違うリンさんとハさんは、ある活動を通じて知り合った。それがVYSA(在日ベトナム青年学生協会)だ。

2001年、日本に住むベトナム人の若者や留学生の支援や交流を目的に設立された団体で、ベトナム大使館もバックアップしている。日本各地に支部があり、イベントの開催、日本人の学生たちとの交流、チャリティなどの活動を行う。

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