べったり夫婦旅行はNG? 定年後、お金と時間に余裕があっても「しなくていい」5つのこと

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夫婦も一定の距離が必要

第4に気をつけたいのは夫婦関係だ。仕事にかまけて家庭を顧みなかった男性が、「これまでの罪滅ぼしだ」などと言って妻を豪勢な旅行に誘うというのはよくある話。しかしこれ、妻にとっては迷惑なことも間々ある。

というのも妻は、夫が仕事を優先していた間にいろんなコミュニティーに参加し、自分のペースができあがっている。暇になったからといって急に誘われても、ペースを崩されるだけでありがたくない。しかも旅先で「お茶を入れてくれ」などと頼まれようものなら、それはもう家で過ごしているのと変わりはなく、気が休まらない。そうであればコミュニティーの仲間との旅行のほうがよほど楽しい。

知人夫婦はそうしたことを避けるため、旅行先で2部屋予約をしている。夕食までは一緒に過ごし、その後は「じゃあまた明日」と言って別々の部屋に泊まるというのだ。この夫婦は決して仲が悪いわけではない。互いを尊重し合い、距離を上手に取りながら、楽しい時間を過ごそうとしているわけだ。

ひどいケースになると、夫の言動に妻がストレスを感じ、心身に変調を来すことさえある。医師の石蔵文信氏が唱える「夫源病」だ。退職すると、行く所がないため家にいがちになるが、夫婦といえどもそれぞれの世界を持ち一定の距離感を持って付き合うことが重要だといえる。

そして最後に、やりがちなのが資格の取得。退職後、何かしらの仕事に結び付けようと取る人が多いが、あまり意味がない。

もちろん勉強することは否定しない。しかし、多くの人が持っているような資格を取ったところで差別化は図れず、埋没するだけ。それよりもビジネスには顧客が必要で、その顧客は人脈からもたらされる。であるならば、資格の勉強をしている時間に、せっせと人脈をつくったほうがよほど効率的だといえる。

とはいえ、シニアが集まる名刺交換会などに行っても意味はない。お互いに愚痴を言い合って終わるだけ。それよりもこれまでの仕事とはまったく別の世界の人たちや、若い人たちと会ったほうが自分自身の強みや特長がわかり、ビジネスにつながりやすい。

退職後は金銭的にも時間的にも余裕ができ、さまざまなことにチャレンジするチャンス。無意味なことはやめて、楽しく有意義に過ごしてほしい。

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大江 加代 確定拠出年金アナリスト(オフィス・リベルタス)

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おおえ・かよ / Kayo Oe

大手証券会社に22年勤務、サラリーマンの資産形成にかかわる仕事に一貫して従事。退社後、夫の経済コラムニストである大江英樹氏(株式会社 オフィス・リベルタス 代表)を妻として支える一方、確定拠出年金の専門家としてNPO確定拠出年金教育協会 理事、企業年金連合会 調査役として活動。野菜ソムリエの資格も持つ。

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