【野田佳彦・単独インタビュー(前編)】「なぜ食料品の消費税率ゼロなのか?」根底の思想と制度設計を語る

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塩田:食料品限定の消費税率ゼロ案には、自民党に相当強い反対論があります。

野田:今、消費税に全く触れていないのは自民党だけですが、自民党は参院選でそれに代わる対策があるかというと、一律給付もなくなってしまったので、何も見えていません。ただ、一つの流れは出てきた。公明党も多分、減税問題では食料品の消費税率ゼロのほうだと思います。税率の一律5%への引き下げ案は、国民民主党が唱えていますが、限られている。日本維新の会も含めて、やはり食料品の税率ゼロ案に対応しようとする政党が多くなるだろうと思います。そのとき、自民党がどうするか。消費税の減税をやるのであれば、自民党も多分、食料品の税率ゼロで来ると思います。そうなったときは、13年前の「3党合意」の逆ではないけど、野党も与党と協議する。

大事な点は、消費税の問題は政争の具にしてはいけないということです。それには共同責任を負う党を作る。野党も含め、後ろの期限を決めて、必ず元に戻すことで、各党が合意できるかどうか。自民党が来ないときでも、野党間でそういう合意形成は可能な限りやっていくべきだと思います。スケジュールとしては、通常国会の会期中で詰め切らなければいけない。会期中に野党間、あるいは与野党間の協議もできると思うので、いわゆる3党合意的に一緒にやっていける政党はどこなのか、確かめていきたいと思います。

塩田:期間限定の食料品の消費税率ゼロ案は、デメリットも指摘されています。一般論として、買いだめが起きるとか、事務経費がかかったりするとか。その点は。

欧州のように危機時には臨機応変に対応する

野田:買いだめとか事務経費の負担増とか、短期的には影響はあるかもしれませんが、調べていけば、平たくなる話で、その点にこだわらずに、土砂降りの雨が降りそうなときは傘をささなければいけないと思いますので、欧州のように、短期間でまた戻すとか、臨機応変にできる国にしなければ、と思いますね。

塩田:代替財源で「高額所得者の所得税率」「金融所得の問題」という点を挙げました。

野田:租税特別措置など税制の見直しを含め、「1億円の壁」を解消するための金融所得課税対策など、所得・収益に応じ、応分の負担を求める税制の抜本改革により、確保します。

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