親から虐待された子どもが、自分の子どもを虐待してしまう背景 ”反抗期”を経験していない人は、大人になって「生きづらさ」を感じやすい?

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けれども、良くない生き方をしている親の場合でも、子どもは「これが生き方の正解である」というように親から学びます。

そして、同じような生き方を追いかけてしまいます。

そのため、親から虐待を受けた子どもが、自分の子どもに虐待を行うといった「負の連鎖」を引き起こしてしまうようになります。

すべての子どもが親から影響を受けるわけではない

私自身は、親からの影響を受けた一方で、途中から養護施設で育ったため、親からの負の影響を受けずに済んだ部分もあります。

例えば、母親の世話好きな性格は私にも色濃く受け継がれているという実感があります。

世話好きといえば聞こえがいいですが、ときには余計なおせっかいをして人から煙たがられることもあります。

経営者をしていた父親は、お調子者でおしゃべりで、多くの人から好かれる人気者でした。そういった素質は多少なりとも自分に似ていると感じることはあります。

一方で、父親は配偶者である母親をないがしろにして浮気相手と一緒になり、お金を湯水のように浪費して家族に迷惑をかけ、最終的に自ら命を絶ちました。

そういったところは、私と似ていません。

つまり、すべての子どもが親からの影響を全面的に受けているわけではありません。

同じ環境下で育ったきょうだいであっても、生き方や性格は異なります。

私の兄は今、かつての父親とまったく同じ生き方をたどっています。

兄は妻を捨てて別の女性に入れあげ、借金を重ねた挙げ句、今は音信不通となっています。無責任でだらしない生き方は、父の姿に重なります。

兄と私の例からわかるように、親からの影響を受けやすい人と受けにくい人がいるわけです。

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