「罰ゲーム」化した管理職が知っておきたい”賢く立ち回る知恵”――意外と知らないリーダーとマネジャーの違い

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僕は実際にスマホで「アップル 経営陣」と検索してみた。

「Appleの役員について」というページがヒットし、クリックすると現CEOであるティム・クック氏のはにかみ顔が目に飛び込んでくる。

なるほど、アップルで「リーダー」といえば、つまりはクック氏やジョブズ氏のことを示すわけか。

「リーダーというのは、本来は国とか宗教の『指導者』に対して使われる言葉です。教える人、という意味の指導者ではなく、行き先を『指』し示し、人々を『導』く『者』という意味の指導者ですね。その意味では、スティーブ・ジョブズを指導者と呼んでも違和感はないですが、いくら大企業でも現場の係長を指導者、と呼ぶのは明らかに変ですよね」

行き先を「指」し示し、人々を「導」く「者」が指導者=リーダー。ナポレオンやリンカーン、ガンジーやマンデラなどは、確かにそんな存在だ。そうした「指導者」たちと並び称するのだとすると、何ならスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツでもギリギリくらいなのかもしれない。

マネジャーは「管理者」

「係長や課長など現場レベルの中間管理職たちは、基本的にはリーダーというよりはマネジャー、日本語でいうなら『管理者』ということになります」

「リーダーは指導者。マネジャーは管理者。確かにそう考えると、グローバル企業でティム・クックのような人がリーダーと呼ばれるのも、係長や課長にあたる人がマネジャーと呼ばれるのも合点がいきますね」

「ここにはいろいろな意見や考え方がありますので、文句のある人もいるかもしれませんが、実際のビジネスで成果を出すマネジャーを育てるには、そう整理するのが一番理にかなっていると私は考えています」

「なるほど。経営陣のことをマネジメント、などと呼ぶこともありますが、だとするとあれは間違った使い方なのですね」

「それはそれで決して間違ってはいません」

そう言うと、フルさんはホワイトボードに向き合い、几帳面にながら迷いなく、1枚の図を書き上げた(※外部配信先ではイラストを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

マネージャーの役割
(『世界のマネジャーは成果を出すために何をしているのか』より)
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