「罰ゲーム」化した管理職が知っておきたい”賢く立ち回る知恵”――意外と知らないリーダーとマネジャーの違い

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「僕がトップダウンで決めるべきなのか、みんなで話し合って決めるべきなのかを迷っていまして。会社のビジョンなので僕以外に誰が決める、という思いがありつつも、今の経営メンバーだとトップダウンは反感を招くかなとも思ったりもして」

「わかりました。ほかには何が問題だと思いますか?」

「ほかには。そうですね。最近正直、僕自身の精神状態があまりよくないので、みんなからは迷いがあるように見えているかもしれません。正しいのか間違っているのかわからない道でも、自分を信じて猛烈に突き進んでいく。それくらいじゃないと、スタートアップの経営者は務まらないと思うのです。最近の僕にはそういう勢いがあまりなくて」

フルさんはふと窓の外の空を見上げ、小さな声で何かをつぶやくと、再び僕のほうを振り向いてこう言った。

「内藤さんはリーダーの話をしている。私はマネジャーの話をしている」

リーダーとマネジャー。

改めてそう言われ考えてみると、僕にはその違いがよくわからなかった。

アップルなら、クック氏やジョブズ氏

「違いは何か、わかりますか?」

「リーダーは、5人くらいの小さなグループの、実際にはあまり権限を持たない責任者、みたいなイメージがあります。アイドルグループの最年長メンバーのような。マネジャーという言葉からは、それよりもっとおごそかな、より偉い人の雰囲気を感じます」

「どちらかというと逆、ですかね」

そう言われて顔を見上げると、フルさんはどこか楽しそうに微笑んでいた。

「英語圏で『リーダー』というと、会社でいえば社長か、せいぜい経営陣を示します。逆に◯◯マネジャーなどという肩書きが当てられるのは、それこそ数人からなる小さなグループの長、日本でいうと係長や課長に当たるポジションの人たちです」

「確かに逆、ですね」

「例えば、今ここで、アップルの経営陣について調べてみてください。日本語でアップル 経営陣、などと検索すると役員紹介ページが出てくると思いますが、URLを見ると末尾がleadershipとなっているはずです。アップルでリーダーといえば、そのページに出てくるような人たちのことなのです」

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