改めて問う「東京にフォーミュラE」は本当に必要なのか? 将来のために「収支の開示」を求めたい

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東京ビッグサイト内「ファンビレッジ」で行われたシミュレーターゲームのコーナー(筆者撮影)
東京ビッグサイト内「ファンビレッジ」で行われたシミュレーターゲームのコーナー(筆者撮影)

さらに、東京E-Prixと併催された、東京都主催の「TOKYO GX ACTION CHANGING 未来を変える脱炭素アクション」では、5人組男性アーティスト「Da-iCE」のスペシャルライブや、子ども向け小型モビリティの体験試乗、そしてカーボンニュートラルに「マルチパスウェイ」で挑む自動車メーカー各社の実車展示も行われた。

フォーミュラEを直接見なくても、十分に楽しめるエンターテインメント空間である。

フォーミュラEの参戦マシンやレギュレーション、そして主催者の思いなどは、東京E-Prixの2週間前に開催されたモナコE-Prix現地取材記「東京でも開催『フォーミュラE』は“F1超え”のモータースポーツになれるのか?」をご参照いただきたい。

「ファンビレッジ」で行われていたタイヤ交換体験の様子(筆者撮影)
「ファンビレッジ」で行われていたタイヤ交換体験の様子(筆者撮影)

本稿では、エンターテインメントの観点から、フォーミュラEを東京で開催する意義について検証したい。昨年の東京E-Prixでも同様の検証記事を掲載しているが、今年は各方面への追加取材を通じて今一度、意見を述べる。

「東京E-Prix」計画はいつ始まったか?

まず、東京E-Prixが検討されたのは「いつ」だったのか。

フォーミュラE共同創業者のアルベルト・ロンゴ氏は「シリーズ1(2014年)の時点で可能性を探っていた」と当時を振り返る。

実現にはそれから10年の歳月が必要だったわけだが、きっかけは東京都の環境施策「ゼロエミッション東京」と、それに基づく「小池都知事の決断」だったという。

2015年のCOP21(国連機構変動枠組条約第12回締結国会議)で採択され、2016年に発効したパリ協定によって、東京を含む世界各地で環境規制に対する試みが加速した。さらに、コロナ禍によって人々のライフスタイルに対する姿勢が大きく変わった。

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