イーロン・マスクが「6月開始」を明言するテスラのロボタクシーサービス、テスト走行未実施で疑問の声
USPTOは、この判断について、テスラに「最初の拒絶通知(non-Final Office Action)」と呼ばれる書面を発行し、3カ月以内に回答しなければ出願放棄と見なすことを伝えている。
マスク氏は6月のサービス開始に強気
5月20日、テスラのロボタクシーサービスに対して、さまざまな疑問や不明点が残されているにもかかわらず、イーロン・マスク氏はCNBCのインタビューに答え、改めてこのサービスを6月に開始することを明言した。
マスク氏は、このサービスはまず、同社の小型SUVであるModel Yの無監視FSDバージョンを投入し、公道上を無人で運行する予定であることを確認した。

さらに、オースティンの走行エリアは「ジオフェンス」されたものになるが、当初は安全性優先して約10台からのサービス開始とし、意図的にゆっくりと段階的に車両を展開していく方針であるため、当初は乗客に対して車両が不足するだろうとも述べた。
ロボタクシーの車両にはオペレーターは搭乗しないものの、テスラ従業員が車両を遠隔監視するとも、マスク氏は述べている。「われわれは、車の挙動を非常に注意深く監視するつもりだが、信頼性が高まれば、そうした監視の必要性は減っていくだろう」とマスク氏は語った。
また、現在マスク氏は、6月中にロボタクシーサービスを開始することに集中しているとし、今後5年間はテスラを率いることに全力を尽くすと述べた。
ちなみに、Waymoなどの自動運転車メーカーでは、オペレーションセンターを設置し、自動運転タクシーを常に監視し、必要に応じて遠隔操作を行う人員を配置している。
Waymoはこのオペレーションセンターから直接車両の操作や制御は行わず、その代わりに、センター側の従業員が自動運転システムと通信して適切な状況を伝え、問題の解決を支援する作業に当たるようにしているとのことだ。
テスラは、オースティンとサンフランシスコの工場敷地内で従業員向けのロボタクシーの試験走行を行った際には、安全要員としてオペレーターが搭乗していた。そのため、テスラの従業員のなかにも、この乗り物が本当にドライバーレスになるのかを疑問に思った人もいたという。
だが、最新の情報では、テスラは5月26日月曜日に、オースティン市の担当者数名とともにロボタクシーの実走行試験を実施、閉鎖された住宅街の路上で、ロボタクシーを緊急車両と並走させてみせたという。また、テスラがまだ提出していないという緊急対応ガイドラインについても、かならずサービス開始までに提出すると述べたとのことだ。
5月28日にはテスラが6月12日にロボタクシーのサービスを開始すると報、複数のメディアが報じた。
一方、イーロン・マスクCEOは、5月29日のXへの投稿で「ここ数日、テスラはオースティンの公道でモデルYの自動運転車(運転席には誰も座っていない)をテストしているが、事故は起きていない。予定より1ヵ月早い」と述べた。これは5月26日に行った実走行試験のことを指していると思われる。
マスク氏は6月12日という日付について言及してないが、「数日間」のテスト走行だけで乗客輸送サービスを始めるに樽だけの安全を確保できるのかについては、さまざまな意見が出そうだ。
比較のために紹介しておくと、Waymoは今年はじめにオースティンで無人配車サービスを開始したが、乗客を乗せて走り始める前に安全監視オペレーターが搭乗して6ヵ月、無人でさらに6ヵ月のテスト走行期間を設け、不具合の洗い出しとソフトウェアの調整を行っていた。
はたして、6月の終わりごろに無人のテスラModel Yをベースとするロボタクシーがオースティンの街を走っているのだろうか。それともマスク氏が自ら設定した期限をやっぱり延期してしまうのか。
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