「業績が上がりすぎてびびっています」 サンマルクが買収した「牛カツ店」。「インバウンドが連日行列」する店は、一体どこが魅力なのか?

✎ 1〜 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

拡大

極薄衣でサクサク。ステーキみたいな「牛カツ」の誕生

「とんかつがあって、なぜ牛カツがないのか」。そのアンサーとなるブランドを作れば受け入れられる。そう直感した洪社長は、新たな食の提案として、牛カツブランドの確立を決める。

ゴッチーズビーフが熟成牛のミディアムレアで成功したことから、「ミディアムレアのステーキみたいな揚げ具合」と、女性を意識して、「油切れがよく、ヘルシーな極薄衣」を骨組みとして考えた。

そこから研究を重ねて生まれたのが、現在の牛カツだ。開発の決め手となったのは、通常のパン粉の約10分の1という、超微細なパン粉と植物油。これらを使うと衣は約3ミリの薄さになり、食感はサクサクに。

味わいは、油吸いが少ないためヘルシーに揚がる。そしてなにより、牛肉のうま味を阻害しない。薄衣をまとった見た目も、トンカツとは一線を画した。

牛カツ京都勝牛
超微細なパン粉をつけるため、衣は3ミリほどに(写真提供:ゴリップ)

だが、開発には課題もあった。

たとえば、衣。一般的なとんかつは、衣にボリュームあるから肉から剥がれない。しかし超薄衣をまとったミディアムレアのかつは、包丁で切るときに割れたり、衣が剥がれやすい。そこを割れないように、剥がれないように、お肉に吸着するようにと各メーカーと研究を重ね、「パン粉、卵と小麦粉を混ぜた『バッター液』、打ち粉のバランス」を試行錯誤した。

牛カツ京都勝牛
衣がはがれないよう、ゆっくりと丁寧に揚げられている(写真提供:ゴリップ)

「苦労した末に、想像通りの『牛カツ』を形にすることができました。そこから10年、ずっとブラッシュアップはし続けていますが、このとき作った原型から大きく変化はありません」

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事