牛カツのおいしさだけではなく、選ぶ楽しさ、店内の内装など、トータルで付加価値を演出しているため、価格に対して満足度の基準をクリアできているのでは……と洪社長は続けた。
そのような高い満足感を生み出すブランドは、どのように生まれたのだろうか。

大都会ながら、ゆったりとスペースが取られた渋谷道玄坂店(写真提供:ゴリップ)
国家の摩擦が生んだ危機。熟成牛との出会いが転機に
京都勝牛は、2024年で誕生から10周年を迎えたブランドだ。現在は世界8カ国89店舗を展開するが、創業した2014年は、まだこの世に「牛カツ」という食べ物はなかった。
「ビフカツはありましたが、あれはデミグラスソースやトマトソースで食べる洋食ですよね。そういうイメージではなく、あくまでとんかつに対しての牛カツを『日本食』として確立したいと思いました」と洪社長は説明する。
理由は単純で、とんかつが大好きだったから。昔から、「とんかつがあるのになぜ牛カツがないんだ」という疑問を持っており、それがブランド開発の原動力になった。

牛ヒレカツ膳。牛ヒレカツはしっとりやわらかく、上品な味わいが特徴だ(写真提供:ゴリップ)
ゴリップはその頃、創業ブランドであるサムギョプサル専門店「ベジテジや」をオープンして8年目の時期だった。
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