「訪日客が9割の店もある」牛カツチェーンの京都勝牛。日本人客が"ごく一部"になっても社長が「それでええ」と言い切る深いワケ

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ところが2014年に開店すると、日本人に認知されるのと同時に、インバウンドも押し寄せた。試しに2016年に韓国に出店をしてみたところ、大きく当たった。これに手応えを感じて、2年で韓国だけで17店舗まで展開したという。

連日インバウンドが行列している京都 伏見稲荷店(写真提供:ゴリップ)

海外戦略において、ベンチマークしているのはとんかつ店だ。アジアには多数のとんかつ店があり、宗教上の問題がない地域ではかなり愛されている。そういったエリアに牛カツは投入しやすいのだという。

そして、一度でも味わうと、「とんかつもおいしいけど牛カツもおいしい」「とんかつより牛カツのほうが好き」と、価値観が変わる人が多いそうだ。

訪れているのはインバウンドの若年層

ところで、ひと口にインバウンドといえどさまざまな国、年代がいる。京都勝牛に訪れているのはどんな層なのだろうか。洪社長は、「VIPではない若い世代で、SNS用に日本らしい、京都らしい画像を撮りたい人に刺さっている」と考えている。

たしかに現代の旅人は、印象的な風景をスマホに撮って、すぐに「ここ行ってきた」と発信したい人が多い。京都勝牛はそのニーズに応え、和傘、御膳、割烹着姿のスタッフなど、画面の中だけなら高級割烹に負けない「映え写真」を撮ることができる空間だ。

本当に割烹に行けば1万円を超えてくるところを半額以下に抑え、絶好の画角が手に入る。手軽に、「すごい店に行っている」と見せることができるのだ。

2025年3月にオープンした、大阪 道頓堀中座くいだおれビル店。「映え写真」を店のあちこちで撮影できる(写真提供:ゴリップ)
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