日本でもシーズン中に必ず戦線離脱…佐々木朗希の故障に痛烈な批判が飛び交う事情

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さらに選手たちも、互いのコンディションやプレーについて意見交換し、違うチームの選手も含め、アドバイスをしあう。メジャーリーガーは世界の野球の頂点に立ったスーパーエリートであり、目の前の利害とは別次元のコミュニティがあるのだ。佐々木はそうした選手たちの中に入ることにも気おくれした可能性もありそうだ。

佐々木は、自身の体調に早くから異状を感じていたと言われる。しかし「無理めの移籍」を強行したという前提では、それを自ら言い出すことができなかったのだろうか。

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督も気づかわしいコメントをした。佐々木に直接タッチできないもどかしさを感じていたようだ。

インピンジメント症候群とは

インピンジメント症候群は、投手など肩を使うアスリートによく見られるが、肩関節にある骨と骨の間隔が狭くなり、腕を動かすときに肩の腱や筋肉が擦れたり、挟まれて痛みや炎症を引き起こすものだ。多くは鎮痛剤、消炎剤を投与して、安静期間をへてストレッチなどをすることで平癒する。ステロイドを使う時もあるが、アスリートの場合、慎重を要する。悪化すると手術をすることもある。

佐々木の場合、スローイングを再開するとの報があり、それほど重症ではないのかもしれないが、平癒しても投手として総合的にMLBで通用するかどうかは依然、未知数だ。

佐々木には一度マイナーでプレッシャーを感じずにアメリカの野球に「慣らす」期間が必要ではないかと思う。今回の事態は、ロッテにも、佐々木にも、ドジャースにも残念なことではあったが、まだ若い佐々木には「やり直す」時間が残っている。

熟した果実が自然に落ちるように、どんな有望な選手でも、MLB移籍には頃合い、タイミングというものがある。佐々木は青くて硬いままに移籍した。今必要なのは「追熟」の期間ではないか。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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