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消費者や広告主の不満が多いのに、なぜXなどのソーシャルメディア企業の市場支配力は絶大なのか。ノーベル賞学者スティグリッツによる解説

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プラットフォームが利用者から収集した情報を利用することで資源配分が改善されるのか、改善されるとしたらどの程度改善されるのかを判断するのは難しいが、ある1つの明確な分析結果がある。

それによると、この情報を利用して価格差別を行なえば(顧客ごとに異なる価格を設定すれば)、競争市場の効率性を支持する標準的な論拠が崩れてしまう。この論拠は、あらゆる家庭や企業に同じ価格が提示されることを前提としているからだ。そのような価格差別は、一般消費者から富裕な企業へ資源を移転し、効率性を低下させると同時に格差を拡大するものでしかない。

プラットフォームは、検索エンジンや電子メールといった形で価値のあるサービスを提供してきたかもしれないが、そのビジネスモデルが基盤にしているのは搾取や広告であって、財やサービスの提供や生産の効率を向上させることでもなければ、利用者のニーズにマッチした財やサービスを生産することでもない。

実際、プラットフォームはその利益を高めるためなら、検索機能の質を犠牲にすることさえ厭わない。検索結果のページのいちばん上に有料広告を配置しているグーグルがいい例だ。

企業による搾取を拡大するビジネスモデル

財やサービスの生産ではなく広告に基づいたビジネスモデルがイノベーションの原動力となっている経済というのは、根本的におかしい。それに、このビジネスモデルは先が見えている。搾取的な広告システムをいくら向上させても、「レントを引き出せる」量(消費者支出の取り分を増やせる量)には限りがあるからだ。

もちろん、これらの企業が消費者支出から奪い取る分を増やせば増やすほど、個人が要望あるいは必要とする財やサービスの生産費用にまわる分は減ることになる。

このビジネスモデルは、ウェルビーイングを高める方向ではなく、企業による搾取を拡大する方向へ向かっている。それは、公正な経済や公正な社会の基盤にはなりえない。

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