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「東上」を狙う住友銀行と大蔵省の思惑が一致し、平和相互銀行の救済合併に向けて「熟柿作戦」を画策/「銀行不倒神話」の誕生と終焉⑤

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住友銀行との合併方針を支店長に説明する平和相互銀行の田代一正社長(撮影:東洋経済写真部)

1985年夏。内紛の続く東京の平和相互銀行に大蔵省は危機感を強めていた。70年代から“問題銀行”と認識しながら、手をこまねいたまま時間だけが過ぎていく。戦後続く「銀行不倒神話」を墨守するためにも、思い切った策が必要になっていた。

当時銀行局長だった吉田正輝のオーラルヒストリーによると、金融検査部は85年8月20日、「異例の12〜13名の検査官を投入する形」で長期の検査に入った。だが、「非常に巧妙に当局が欺罔(きもう)されていたということにならざるを得ないということで、(中略)今の執行部が信用できないことは検査の相当初期の段階で把握できた」と吉田は振り返っている。

吉田からの聴き取りに同席した当時中小金融課長の中平幸典(のち財務官)は、10月下旬に①経営内容、②検査の隠蔽など責任問題、③資金繰り、④考えられる再建方法をまとめ、銀行局長や事務次官に報告した、と明かす。

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