欧州の新型車が集結「列車のテストコース」とは? 各国の鉄道技術支えるチェコの巨大な「周回線」
一方、小周回線は総延長3951mで、長さ645mの直線1つ、あとは半径の異なる曲線で構成されており、最大軸重は同じく25t。最高速度は半径300mの曲線区間で時速80kmまでとなっている。


架線電圧は、欧州域内の本線で使用される4種類(直流1500V・3000V、交流15kV 17Hz・25kV 50Hz)に、直流750Vを加えた合計5種類が供給可能。小周回線は必要に応じて、第三軌条を敷設してテストすることもできる。
周回線の内側は一般人が住む「村」
各周回線は用途によって使い分けられており、まったく新品の状態での起動試験のような用途や、低速走行でも十分なテストには主に小周回線を使用。実際の運行速度や条件を意識した本格的なテスト走行は大周回線で行われる。
これだけ見ると、VUZはずいぶんと大きな敷地を保有しているのでは、と思うかもしれない。だが、実は周回線の線路を除くVUZの敷地は、ツェルヘニツェにある管理棟と工場建屋のある場所だけだ。つまり、楕円形の周回線の内側はVUZの敷地ではない。内側にはソコレチュという村もある。

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