欧州の新型車が集結「列車のテストコース」とは? 各国の鉄道技術支えるチェコの巨大な「周回線」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方、小周回線は総延長3951mで、長さ645mの直線1つ、あとは半径の異なる曲線で構成されており、最大軸重は同じく25t。最高速度は半径300mの曲線区間で時速80kmまでとなっている。

RER 2階建て車両 ヴェリム試験センター
テスト中のパリRER線用2階建て電車(撮影:橋爪智之)
ヴェリム試験センター オランダ・ノルウェー車両
ヴェリム試験センターでは各国の車両が見られる。工場建屋で整備中のオランダ(左)とノルウェー(右)の車両(撮影:橋爪智之)
【写真】欧州への本格進出を狙う中国中車(CRRC)の電車「シリウス」もヴェリム試験センターでテストした

架線電圧は、欧州域内の本線で使用される4種類(直流1500V・3000V、交流15kV 17Hz・25kV 50Hz)に、直流750Vを加えた合計5種類が供給可能。小周回線は必要に応じて、第三軌条を敷設してテストすることもできる。

周回線の内側は一般人が住む「村」

各周回線は用途によって使い分けられており、まったく新品の状態での起動試験のような用途や、低速走行でも十分なテストには主に小周回線を使用。実際の運行速度や条件を意識した本格的なテスト走行は大周回線で行われる。

これだけ見ると、VUZはずいぶんと大きな敷地を保有しているのでは、と思うかもしれない。だが、実は周回線の線路を除くVUZの敷地は、ツェルヘニツェにある管理棟と工場建屋のある場所だけだ。つまり、楕円形の周回線の内側はVUZの敷地ではない。内側にはソコレチュという村もある。

ヴェリム試験センター 管理棟
ヴェリム試験センターの管理棟(撮影:橋爪智之)
この記事の画像を見る(38枚)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事