2030年に日本はどう変わる? 少子高齢化・人口減少が一段と進行 「コンパクトシティ誕生」の必然

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人口が減れば、すでに過疎化しているエリアからはさらに人がいなくなります。広いエリアに人がまばらに住んでいる状態は、自治体にとって望ましくありません。各種インフラの整備やゴミ収集などの行政サービスを効率的に提供しづらいからです。

コンパクトシティが誕生へ

そこで、前々から必要性が叫ばれているのが「立地適正化計画」です。医療・福祉・商業施設などと居住誘導区域を近接させ、公共交通ネットワークを効率的に配備し、コンパクトシティを実現するための構想で、郊外エリアなどではすでに多くの自治体が計画を策定しています。

立地適正化計画
立地適正化計画(画像:『2030年の不動産』)
2030年の不動産 (日経プレミアシリーズ)
『2030年の不動産』(日経BP 日本経済新聞出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

最近、「バスが減っている」というニュースをよく見聞きしますが、人手不足でバス運転手のなり手も少ない中、路線バス事業者にとって乗客数が少ない赤字路線を存続させるメリットはありません。コンパクトシティが実現されれば、バス路線の廃止で交通弱者が増えてしまう問題も解決できるでしょう。

コンパクトシティのエリア外では自治体がコミットしなくなるため、新たにそこに住もうとする人がいなくなり、不動産の資産価値はなくなります。よって、エリアによる不動産格差はさらに極端なものとなるはずです。

これまでは計画段階でなかなかドラスティックな動きは見られませんでしたが、2030年頃からは本格始動し、ゆくゆくは日本のあちこちにコンパクトシティが誕生すると予想されます。

長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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