ついに目覚めた欧州、日本はまだ眠り続けるのか あのドイツも「約80兆円の財政出動」決定へ

アメリカ株の市場が下げ基調に転じている。代表的な指標であるS&P500種指数は2月19日に最高値6144ポイントをつけた後、3月13日には5521ポイントとなり、1カ月弱で10%下落した。14日は前日比2%以上反発(5638ポイント)したものの、調整相場入りギリギリの局面にある。
関税賦課でアメリカのインフレ率は一時的に上振れへ
アメリカのドナルド・トランプ政権が、カナダやメキシコに対する関税賦課を決定した後に、再び一部品目の関税発動先送りを発表するなど、政策対応が日々動いていることが「政策の不確実性」として意識されている。しかも、3月9日にトランプ大統領が「アメリカ経済は過渡期にある」と発言したことが、市場心理をさらに悪化させている。
今のところ、実際にはカナダなどへの関税賦課はほとんどが先送りされ、トランプ政権は外交交渉のツールとして利用しているが、関税賦課が強まるリスクは高まっている。
4月に向け今後の交渉次第だが、カナダなどに幅広い関税賦課が実現するなら、同様に欧州や日本に対しても自動車などの重要品目に関税が賦課されることになる。3月14日、ハワード・ラトニック商務長官は同国のテレビ番組で自動車関税に関して、日本を対象から除外しない方針を明らかにした。
筆者は、最終的には関税賦課率はアメリカ政府の主張ほど高まらないと引き続き想定している。ただ、筆者の従前の想定よりも関税率はやや高くなり、輸入インフレによってアメリカのインフレ率も一時的に上振れそうである。
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