まさかのスタバ超え「激安ドリンク店」の驚く勢い。中国では競争激化、日本に進出する店も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

従来は粉末をお湯で溶かしたインスタント製法が主流だったが、フレッシュフルーツや高級茶葉などを使い、1杯600~700円の商品を提供する「喜茶(HEYTEA)」「奈雪の茶」(後に「奈雪的茶」に改称)が都市部の女性の人気を集め、ブームを牽引した。

ビジネスパーソンに照準を合わせたコーヒーよりも、お茶ドリンクのほうがSNS映えし、幅広い消費者に受け入れられやすいこともあり、地方で足場を固めたお茶ドリンクのチェーン店が競うように陣地を広げ、ショッピングモールにはいくつものブランドが乱立する状態になった。

中国だけで4万店、東南アジアでも拡大

そして2021年、「洗脳神曲」と名がつくほど中毒性の高い音楽を配信した宣伝動画が大バズりして有名になったのが「蜜雪氷城(MIXUE)」だ。

その時点で約1万5000店舗を展開していたのだが、3元(約60円)のソフトクリームや6元(約120円)のタピオカミルクティーなど“激安”を売りにし、出店コストの高い一線都市(北京、上海、広州、深圳)を避けて小さな街に店舗を張り巡らせていたため、“映え”を競い合っていたお茶ドリンク市場では見過ごされていた。

中国 蜜雪氷城
蜜雪氷城は日本でも数店舗を展開している。写真は都内・原宿店にて(写真:筆者撮影)

バブル崩壊後の日本でユニクロやニトリが台頭したように、景気減速が鮮明になる中国でもMIXUEの存在感は高まる一方。2024年9月末現在の店舗数は4万5000店舗超と、スターバックスの世界の出店数(2024年末時点で4万576店舗)を上回る世界一のドリンクチェーンになった。

3月3日には香港証券取引所に上場。株価は上昇を続け、11日の終値は406香港ドルと発行価格の202.5香港ドルの2倍、時価総額は1527億900万香港ドル(約2兆9200億円)に達した。デフレ中国で伸びそうな銘柄として投資家の期待も高い。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事