「起き上がるのも困難」から「副作用がほとんどない」へ、3種の抗がん剤を投与して相性でこれだけ違った体の反応

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

【クレアチニン】4.17→1.07(下限値0.65/上限値1.07)
※ 筋肉内にあるクレアチンの最終産物で、腎臓でろ過され排泄される。腎機能の最も重要な指標。数値が高いときは腎機能低下を意味する。急性腎臓病など。

【AST】10→12(下限値13/上限値30)
※ 心臓、肝臓、腎臓などさまざまな臓器に存在する酵素。これらの臓器が障害を受け、この酵素が血液中に放出されると高値を示す。

【CRP】0.65→1.69(下限値0.00/上限値0.14)
※ 体内に炎症(リウマチ熱、細菌感染など)があるとき、血液中にあらわれるたんぱく質(C反応性たんぱく)の量を測定するもの。検査値が異常に高いときは、慢性感染症、膠原病、心筋梗塞、悪性腫瘍などが疑われる。

昨年3月に膀胱がんが発覚した時の初診時は、ヘモグロビンが正常値の3分の1程度まで低下していて、クレアチニンの数値も異常に高かった。極度の貧血と顕著な腎機能低下がみられ、主治医から「このまま放置していたら、あと数週間の命でしたよ」とたしなめられるほど重症だった。しかも、がんは肺に転移していてステージ4の状態で、「余命は1年」という診断だった。

弱者の視点から世の中を見る

それから1年。6回の入院と、数十回に及ぶ通院、抗生剤の点滴投与と抗がん剤投与などの治療で「余命1年」を何とかクリアした。これからは「がんとの共存・延命」に向けた第2ステップに突入する。いったい何が待ち構えているか。

最近は体調がいいので、以前みたいな「ほぼ寝たきり生活」から脱却して、近所の公園周辺を散策したり、知人との会食で築地まで出かけるなど、“社会復帰”を図っている最中だ。桜が咲く時期になったら、高尾山あたりで山歩きも復活させてみたい。

病気とは無縁の健常者だった時と比べて、人生が180度変わった。そんな身になったからこそ見えてくること、感じることがある。社会的弱者の視点から世の中のさまざまな問題を凝視して、情報を発信し続けていきたい。読者の皆様には、まだまだお付き合いいただければ幸いである。

山田 稔 ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログでは、最新の病状などを掲載中。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事