「起き上がるのも困難」から「副作用がほとんどない」へ、3種の抗がん剤を投与して相性でこれだけ違った体の反応

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縮小

昨年4月から始めた第1弾の抗がん剤治療では、ゲムシタビンとカルボプラチンいう2種類の抗がん剤を併用した。これが身体にあったのか、肺の腫瘍が4割の大きさまで縮小するなど顕著な効果が見られた。そこで標準治療の第2弾として、夏場からは免疫チェックポイント阻害薬・アベルマブの投与に進んだ。これでがんの進行を食い止めようとしたのである。

ところが、なぜかアベルマブは身体になじまず、副作用で髪の毛がかなり抜け落ち、体重も大幅に減少した。残念ながら効果よりも副作用のほうが目立つ結果となってしまった。

9月末に撮ったCT画像をチェックすると、7月撮影時よりも腫瘍が若干ではあるが大きくなってしまった。しかも、この段階で免疫力がガクッと落ち、帯状疱疹にかかってしまうというアクシデントにも見舞われた。

高額療養費制度のおかげで治療ができた

そこで治療方針を変更し、2021年に発売され、公的医療保険適用となった抗体薬物複合体・パドセブの投与に切り替えた。1回あたりの医療費は数十万円で、まさに高額療養費制度のおかげでやりくりすることができた。

二転三転した挙句、高額療養費制度の見直しは最終的に見送られることになった。これは患者にとってはもちろん、国民全体にとっても大きな意味を持つ。命にかかわる安易な経費削減は断じて許されないことである。

話を戻そう。第3弾のパドセブにおおいに期待をしたのだが、残念ながらこれまた顕著な効果は見られなかった。それどころか、がんは新たに腰の骨に転移し、今度はその絶え間ない痛みに悩まされるようになった。

年が明けて1月になると、状況はさらに悪化した。ヘモグロビン数値の減少に、炎症の発生を示すCRP数値の急上昇が重なり、歩くことはもちろん、起き上がることも困難になってしまった。急遽、入院することになり、タクシーに家の前まで来てもらい、病院で降りると、そこから車いすで病室に向かうハメになった。

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