「私よりも稼いでいて、頼りがいもあって心優しい年上です。私は両親を10年以上前に亡くしていますが、3歳年上の兄も含めて仲の良い家族でした。だから、家族仲がいいことも条件の1つです」
加奈さんの趣味はスノーボードと飲食である。「婚活スノボ日帰り旅行」に参加したこともあったが、女性同士で仲良くなって帰ってきた。それからは一人で雪山に行って滑ってビールを飲んでいる。
40歳を過ぎたあたりで「理想」を追い求めることはしなくなり、「一緒にいて落ち着ける人」ならばスペックは問わないようになった。しかし、短大時代の同級生の多くは結婚している。出会いは限られる年齢になっていた。プライベートでの初対面では緊張してうまく話せないのもあって、アプリなどでマッチングしても交際が続かなかった。
「結婚相手でなくてもいいから趣味友を探そうと思いました。スノボとお酒、ですね」
婚活ではないと思えば緊張し過ぎずに済む。マッチングアプリで「いいね」をしてくれた慎吾さんともスノーボードとお酒が好きという共通点だけに期待して会った。それが大当たりだったのだ。
慎吾さんにとって加奈さんはど真ん中
さきほどから加奈さんと筆者の会話を静かに聞いていた慎吾さんは、俳優の早乙女太一を横に大きくしたような男性で、日本有数の大企業でITエンジニアをしているという。見た目は加奈さんとも似ている。結婚してからの家飲みが楽し過ぎて慎吾さんは15キロ、加奈さんは8キロも体重が増えたらしい。いわゆる幸せ太りである。
「僕は高校の頃からの12年間、同い年の彼女と付き合っていました。でも、お互いの結婚したいタイミングが違って別れてしまったんです。あまりに悲しくて、わけがわかんなくなっちゃった時期もありました。28歳の頃に5歳下の女性と付き合ったこともありますが、若い子はなんだか疲れます。自分に合わせてほしい、という要求が強いのが窮屈です」
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