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政治・経済・投資 #ウクライナ侵攻、危機の本質

ゼレンスキーを元気にさせたイギリス首相の手腕 欧州に共通した「プーチンは信用できない」

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  • 吉田 成之 新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長
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さらに停戦実現後に英仏などが平和維持部隊をウクライナに送ることも盛り込んだ。安全保障策を求めるゼレンスキーの立場に沿ったものだ。

ここで注目すべきことがさらにある。イギリスとフランスが安全保障計画についてトランプ政権に提示しており、協力を求めているとしている点だ。

トランプに突きつけた英仏の提案

この結果、トランプは大きな選択を迫られることになった。このままロシアに配慮しながら停戦交渉を進めるのか、英仏が求める協力に応じて合同で停戦と和平実現に向け動くのか、という決断だ。

イギリス・フランス側は、停戦案の内容についてプーチンと協議するつもりはないと明言している。「プーチンは信用できない」。この言葉に両国の明確なメッセージが込められている。

興味深いのは、こうした両国の動きに対しロシアでは強い警戒感が出ていることだ。「アンチ・トランプの動きではないか」との指摘が一部で出始めている。

ワシントンで意気消沈したゼレンスキーは、今回の緊急サミットで欧州からの連帯の強いメッセージを受けてすっかり元気を取り戻したという。この背景にはスターマー首相の巧みな外交手腕もあった。

先日、訪米した首相はトランプ大統領に対し、チャールズ国王からの2度目の国賓待遇訪問の招待状を手渡した。トランプは大喜びした。

しかし、緊急サミットでロンドン入りしたゼレンスキーを待っていたのは、国王とのにこやかな面会だった。トランプより先に国王との面会を実現させたスターマーの温かい計らいだった。

いずれにしても、ウクライナとしては今、停戦を急ぐ様子はない。2025年末までに和平を実現することを目指してはいるが、当面は先述した「力による平和」を進める構えだ。

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