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「国家の役割」を最小化すると最後はどうなるのか 保護されるのは「人身と所有に対する権利」だけ

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「最小国家」ではたいていの行政サービスが民営化されるという(写真:TapisVolant/PIXTA)
かつて、吉本隆明は『共同幻想論』の中で日本と西欧の国家観の違いを巧みに分析してみせましたが、玉川大学名誉教授の岡本裕一朗氏は、「西欧の国家論がすべて、吉本のようにいえるかどうかは問題」だとしつつも、「近代以降の国家論に対しては、日本でのイメージと違いがあるのはたしか」だといいます。
日頃、私たちがあまり意識することのない「国家の形」は、いったいどのように論じられてきたのでしょうか。岡本氏の著書『知を深めて力にする 哲学で考える10の言葉』から、一部を抜粋・編集して、その一端をお届けします。

プラトンが掲げた「哲人国家」の構想

西洋思想のなかで「国家論」といえば、たいていの人はおそらく、プラトンの『国家』を挙げるのではないでしょうか。まさに古典中の古典ですので、タイトルはご存じだと思います。

もともとのギリシア語のタイトルでは『ポリテイア(Politeia)』となっていて、「ポリス(国家)のあり方」を論じたものです。

では、プラトンはどのようなあり方が、「国家」として望ましいと考えたのでしょうか。

端的にいいますと、プラトンの基本的な発想は、哲学者が国家を統治するという「哲人国家」の構想にあります。これは、師であるソクラテスが民主制によって死刑に処せられた、という苦い経験からきています。

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