日本初「完全に真横になれる」寝台夜行バスの凄さ 寝心地はいかに?高身長・肥満体の筆者が検証
しかし、日本初の寝台バスが走る高知県~東京都内の移動コスト(運賃)で比較すると、鉄道移動(JR土讃線特急+新幹線):2万円強、飛行機:3万円強、これに前泊のホテル代がプラスされる。
一方で高知駅前観光の夜行バスは1万円弱、寝台バスは「1万4400円」(モニター運行中は特別料金「7300円」)で、バスで移動しながら一晩過ごすため、ホテル代はかからない。
価格帯で考えれば、寝台バスはおそらく「飛行機・鉄道よりかなり安く」「通常の夜行バスに、プラス4000円前後で横になって移動できる」「それでも、都内ホテル前泊より圧倒的に安くつく。横になって移動できるなら、ホテル代わりに寝台バスを利用しよう」といった使われ方になるだろう(※なお、高知駅前観光の夜行バスは「ダイナミック・プライシング」で季節・日程ごとに価格変動あり)。

ただし、今回の寝台バス運行開始は、あくまでも「モニター運行」(実証運行)の段階。ブランケットは装備品としてあるものの、コンセントやカーテンなどは「まだこれから検討し、少しずつ装備していく」とのことだった。
どのような設備やサービスが必要か、夜行バスの移動時間のQOL(時間の質)を、どのように充実させていくか……課題は山積している。しかし、少しずつ改善して利用者を定着させていけば、寝台バスは「とにかく格安な夜行バスで移動したい」「早く快適に移動したい」という両極の中間層を掘り起こし、新たな夜行バス利用者を獲得できるかもしれない。
これから始まる 日本の寝台バスの歴史
高知駅前観光・梅原章利社長いわく、「お客様に、『ソメイユ・プロフォン』を育てていただきたいと思いますぜひとも乗車して、ご意見をお聞かせください」とのこと。
間もなく運行を開始する「日本初の寝台バス」が、どのように変化していくか、推移を見守っていきたい。なにぶん、この国での寝台バスの歴史は、まだ始まったばかりだ。
続く後編ーホテル高騰の救世主?「寝台夜行バス」進化の実態 これまで寝台バスが日本で普及しなかったワケーでは、高速バス業界や経営陣の立場で、寝台バス座席「ソメイユ・プロフォン」について考察。日本初の寝台バスを開発した「高知駅前観光」は、どのようなビジネス展開を考えているのか、梅原社長に話を伺った。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら