DeepSeekの影響なし?NVIDIA決算が映す実態 1月に株価急落、快進撃はどこまで続くか

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エヌビディア
AI向け半導体で快進撃を続けるエヌビディア(写真:梅垣勇人)
AI関連需要の拡大に伴って躍進を続けるアメリカの半導体大手エヌビディア。その最新決算が2025年2月26日に発表された。
とくに注目されたのは中国のAIスタートアップが開発したDeepSeekの影響だ。DeepSeekは高性能な生成AIモデルでありながら開発コストが非常に低いのが特徴。エヌビディアが中国向けに性能を落として開発した半導体を使い、トレーニングコスト(AIモデル開発のための学習コスト)は約557万ドル(約8億円)とされる。そのため、高性能な半導体への需要が減るのではないかという懸念が広がり、1月27日にはエヌビディアの株価が急落した。
エヌビディアの現状はどうなのか、そして今後の見通しについて石阪友貴記者が解説する。
※記事の内容は東洋経済の解説動画『エヌビディアの決算分析』から一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。
撮影・編集:昼間將太

AI向け半導体の需要はさらに拡大

——エヌビディアの第4四半期(2024年11月〜2025年1月期)の決算はどうでしたか。

相変わらず好調です。売上高は全体で393億ドル(約5兆9000億円)で、前四半期(2024年8〜10月期)と比べて12%増、前年同期(2023年11月〜2024年1月期)比では78%増でした。

第3四半期から「Blackwell(ブラックウェル)」という新しい製品の出荷が本格的に始まって、きちんと立ち上がるのか懸念されていたのですが、ブラックウェルの売上高はすでに110億ドル(約1兆6500億円)になっており、急速に立ち上がっています。

——今回の決算で注目されていたのは「DeepSeek」の影響です。新しい生成AIの出現によってエヌビディアに逆風が吹くのではないかということで、株価も急落しました。

1月の株価急落から1カ月経って、ショックが和らいでいる印象があります。決算会見でもそれに関する質問はあまり出なかった。その背景には、高性能のAI向け半導体の需要はこれからも伸びていくというのがコンセンサスになったからだと思います。

AI開発に使われる半導体であるGPUの需要が増える段階が3つあります。

次ページその3つとは?
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