DeepSeekの影響なし?NVIDIA決算が映す実態 1月に株価急落、快進撃はどこまで続くか

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これについて、フアンCEOは「彼らが作っているのは特定の用途(データセンター向け)の半導体。エヌビディアの半導体はデータセンターにも自動車にもパソコンにも搭載できる。どんな技術革新が起こっても、われわれのGPUであればその変化に柔軟に対応できる」という趣旨の発言をしています。

おそらくデータセンター向けにおける影響は短期的には免れないと私は思いますが、エヌビディアはもっと大きな市場を見ている印象です。

──ハイパースケーラーとは戦っている土俵や狙っているポジションが違っていて、もっと汎用性を高め、製品自体の性能を上げていくことですね。では、エヌビディアの今後の業績見通しはどうなっているのでしょうか。

エヌビディアは次の3カ月の予想しか出しません。第2四半期(2025年2〜4月期)の予想売上高は430億ドル(約6兆4500億円)で、第1四半期より10%弱伸びる見通しです。

株価が大きく反応しなくなった理由

──ただ株価はDeepSeekショック以前の水準には戻っていません。

2023年にアナリストのコンセンサス予想を20%上回って、株価が急騰したことがありました。それ以来、四半期ごとにコンセンサス予想をどれくらい上回るか、そのサプライズ度合いによって株価が上がってきたというのがあります。

ただ、この半年は予想を大きく上回るサプライズが起きていないので株価が大きく反応することがなくなっています。業績は順調に伸びているのですが、株価の水準がここまで上がると、ブラックウェルの歩留まりなどリスクのほうが大きく見られてしまう傾向にあります。

──では、今後のエヌビディアの注目点は?

今年の後半に出てくる「Blackwell Ultra(ブラックウェル ウルトラ)」という新しいシリーズがきちんと立ち上がるか、という点です。ブラックウェルのマイナーチェンジなので、市場も心配している様子はないですが、そこがどうなるか。

3月17〜21日に開催されるカンファレンス「GTC」で、ブラックウェル ウルトラの詳細が明らかになりますし、さらにその次の「Rubin(ルービン)」の概要も発表されると思いますので注目です。

撮影・編集:昼間將太
石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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井下 健悟 東洋経済 記者

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いのした けんご / Kengo Inoshita

食品、自動車、通信、電力、金融などの業界を担当。週刊東洋経済編集長、東洋経済オンライン編集長を経て、2025年2月より東洋経済オンライン動画編集長。

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