インターネットのおかげで、世界中の化石マニアとも簡単につながれるようになった。元IBMのコーポレート戦略担当役員で、アンモナイト化石を中心とするコレクターとして世界的に知られるWolfgang Grulke氏もその一人。宇都宮さんをFacebookで見つけたGrulke氏から直接連絡があり、メッセンジャーでやりとりする仲だ。
会社では人事部門で安全衛生を担当
現在、パナソニック株式会社エレクトリックワークス社の人事部門に所属する宇都宮さん。感染症対策や災害対策、従業員の安全教育などの安全衛生業務を担当している。人事部門にはいろいろな人がいるので、居心地がいいそうだ。

「人事は、多様な働き方の実験室やショールームのような部署だと思っています。野球部の選手やアメフトの選手、女子バレーの選手などいろいろな人がいて、それぞれがワークライフバランスを考えていろいろな働き方をしている。だから、自分のような化石好きのおじさんでも居心地がいいんです」
在宅勤務も可能だが、宇都宮さんの職場は自宅から徒歩10分。自宅だと仕事モードに切り替えるのが難しいので、あえて職場に出勤しているそうだ。職場はフレックスタイム制を導入しており、就業時間は8時45分〜17時15分。コアタイムはないため、早朝6時台に出勤して定時より前に早く帰ることもよくあるという。
「夜は家内と夕飯を食べておしゃべりをしたり、クリーニングや執筆をしたりして22時には寝ています。朝は4時台には起きていますね」
長い社会人生活の中では、本業が多忙で休みが取れず、なかなか化石採集や研究ができない時期もあったという。しかし、そんな多忙な中でも大学院に社会人入学してサツマウツノミヤリュウの論文を書いていた時期もある。どのようにして趣味の時間を確保してきたのだろうか。
「帰宅後の時間や隙間時間を活用してきましたが、限られた時間だからこそ集中できたんだと思います。何かするときは、2時間なら2時間と時間を決めてから取り組んでいます。マルチタスクで進めることも意識していますね。それは仕事でも趣味でも同じです」
締め切りのある執筆では、完璧を目指さない「60点主義」をモットーにしているそうだ。
「締め切りギリギリまで抱えているより、傷が浅いうちにみんなにさっさと見てもらったほうがいいという考えです。粗々の状態であっても、早く送ればフィードバックをもらって直しをする時間も生まれます」
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