健康診断が近づいてきたときに、こうした肝機能の数値を回復させるには、いったい何をすればいいのか。
おそらく、多くの人がまず考えるのは「アルコールを控える」ということでしょう。たとえ「悪あがき」と言われようとも、健康診断1週間くらい前から禁酒する人もいるかもしれませんね。
もちろん、検査前日や当日に飲酒をするのはいけません。ただ、1週間前から酒を断ったりしたとしても、検査値には思ったほどの影響はありません。飲みすぎはNGですが、私は、適量さえちゃんと守っていれば、検査2日前までは飲んでも問題ないと思います。
フルーツを食べ続けたら1週間で脂肪肝に
では、アルコールを控える以外に、いったい何をすればいいというのか。
じつは、健康診断の数値に反映しやすいのは、「アルコール」よりもむしろ「糖質の摂取量」なのです。
とりわけ、脂肪肝には糖質摂取量が大きく影響します。実際、私の患者さんには「1週間シャインマスカットばかりを食べ続けていたら、それだけで肝機能の数値が悪化して脂肪肝になってしまった」という方がいらっしゃいます。果糖は肝臓にとくにダメージを与えやすいのですが、こういった野放図な糖質の摂り方をしていると、たった1週間程度でもてきめんに脂肪肝が進んでしまうというわけですね。
ただ、これは「逆」についても言えることなのです。
つまり、これまでたくさん摂ってきた糖質の量を少なめの量にコントロールすれば、それだけで肝臓にたまった脂肪をかなり減らすことができるということ。脂肪肝の程度にもよりますが、「軽い脂肪肝」や「隠れ脂肪肝」の段階であれば、1週間程度で肝機能の数値を正常化させ、脂肪肝を治してしまうことも十分に可能でしょう。
少なくとも、そのほうが、アルコールを我慢して控えるよりも、ずっとよい結果へとつながるはずです。
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