「一休さん」遺した手紙に弟子達が笑った深い理由 人生困ったときに役に立つ「ひと休み」の思考

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考えすぎないコツ
あせらず、あわてず、ゆっくりと。周囲と同じ速度でなくてもいい、自分ができることをやり続ければ、それでいいのです(写真:KiRi/PIXTA)
あれもこれもと心配ごとが多すぎて、身動きがとれなくなっているのが現代人。どうしたら、不安に囚われることなく、「今、この瞬間」を全力で生きることができるのでしょう。
新著『考えすぎないコツ』では、禅僧であり世界的な庭園デザイナーでもある枡野俊明さんが、「頭をからっぽにして、心を無の状態にする」ためのヒントを説きます。
本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。

じつは「破天荒」だった一休さん

一休宗純(いっきゅうそうじゅん)の臨終の言葉は「死にとうない」であったと伝わっています。

『考えすぎないコツ:「気づいて」「ほどいて」「放っておく」人生を軽くするシンプルな本質』書影
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悟りを開いた名僧の言葉とはとても思えませんが、この人間臭さが一休禅師の魅力ともいえます。禅とは「ありのまま」の自分を生きることを説くもの。ならば一休さんほど、禅の精神を体現した人はいないかもしれません。

一休宗純の幼少期をモチーフにしたテレビアニメ『一休さん』(1975~1982)をご記憶の方もいるかもしれません。数々の困りごとを見事解決する「とんち」と、「あわてないあわてない、一休み一休み」というセリフで、一休は当時の子どもたちの間でも有名になりました。

実在の一休さんも、日本で最も親しまれている禅僧のひとりです。ただ、アニメのイメージと違うのは、とんちより「風狂」の人だったということ。当時の仏教では禁じられていた飲酒や肉食、恋愛も大好き

77歳のときには美しい旅芸人「森女(しんにょ)」と出会い、同棲していたほどです。さらには、「釈迦といういたずら者が出てきて世の中を迷わせた」とお釈迦さまですら揶揄したと言われているのですから、相当です。一休さんの生涯は、破天荒という言葉がふさわしいものでした。

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