「一休さん」遺した手紙に弟子達が笑った深い理由 人生困ったときに役に立つ「ひと休み」の思考

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お茶やコーヒーを一口、ゆっくり味わうのもいいでしょう。友人や同僚と会話をしているときも、反射的に言葉を返すのではなく、相手の言葉を受け止めて、自分の中で咀嚼する時間をとりましょう

「結果が出ない=自分のせい」ではない

あせらず、あわてず、ゆっくりと。周囲と同じ速度でなくてもいい、自分ができることをやり続ければ、それでいいのです。

努力は報われる、頑張れば結果が出るという考えが私たちの心に根付いて、ずいぶんたちます。それゆえに「成果が出ないのは自分の頑張りが足りないからだ」と自分を責めてしまうこともあります。

しかし、人生をある程度生きていれば、世の中には自分一人の力ではどうにもならないことなど、いくらでもあることがわかってくるでしょう。

適度な運動と栄養バランスのとれた食事をしていても病気にかかるときはかかります。

全身全霊を仕事に捧げたくても、その機会を何者かに奪われてしまうこともあります。私たちは新型コロナ禍でそれを思い知ったはずです。

どうにもならないことをどうにかしようと頑張っても空回りするばかり。ただ「のんびりやる」しかないことも、時にはあるのです。

一休さんは87歳で亡くなる直前、弟子に「困ったことになったら開けなさい」と手紙を渡しました。その手紙に書かれていた文言が「心配するな、大丈夫、なんとかなる」。

一休は正しく「且緩緩」の人でもありました。

枡野 俊明 「禅の庭」庭園デザイナー、僧侶

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ますの しゅんみょう / Shunmyo Masuno

1953年、神奈川県生まれ。大学卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣(当時)新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年、『ニューズウィーク』誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出。主な作品はカナダ大使館庭園、セルリアンタワー東急ホテル庭園「閑坐庭」、ベルリン日本庭園「融水苑」など多数。曹洞宗徳雄山建功寺住職、多摩美術大学環境デザイン学科教授。著書に『心配事の9割は起こらない』『仕事も人間関係もうまくいく放っておく力』(以上、三笠書房)など。

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