仕事は「キリのいいところ」で終えてはいけない 5分でいいから次の仕事に手をつけておくこと

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その後3カ月間で、最後までスタンプを集めた人の割合は、Aが19%だったのに対し、Bは34%と、明らかな違いが生まれました。

スタート時にスタンプが2個押してあるだけで、集める意欲が高まったことになります。

(出所:『世界は行動経済学でできている』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

カフェやクリーニング店などで、最初からスタンプが押されたポイントカードをもらったことはないでしょうか。

実質同じ特典であっても、あらかじめスタンプが押してあることで、顧客は「スタンプが2個も無料でもらえた」という心地のいい感情を抱きます。いわゆる「ポジティブアフェクト」が働きます。これにより、スタンプを集めよう=利用し続けようという意欲が高まるのです。

また、ゴールが近づいたり、終わりが見えてきたりすると、やる気や行動などに弾みがつくことを「目標勾配効果」と呼びます。これも、同じような効果と言えます。

また、行動経済学では、どこまで進んでいるのかが可視化されたとき、思っていたよりも進んでいると感じるとやる気が出てくることもわかっています。この点を上手に利用しているのが、学習アプリやアンケート、ネット上の会員登録などで使用されている「プログレスバー」です。

「プログレスバー」とは、タスクやワークの進み具合を可視化して、現在どのあたりにいるのかを示したもの。あと少しで完了だとわかると、そのタスクやワークを最後までやり遂げられる可能性が高まります。

ネット上の会員登録では、途中で面倒になって離脱してしまう顧客がいますが、入力のスタート時点で、以前に入力した名前などが書き込まれ、プログレスバーが少し進んだ状態になっていれば離脱の可能性は格段に下がるのです。

「たった5分」でいいから次の仕事に手をつける

「エンダウド・プログレス効果」は、さまざまな場面で「初期の行動を勢いづける」ために活用できます。

本稿の冒頭の仕事の例であれば、ちょうどいい切れ目で仕事をやめるのではなく、わずかでもいいので次の仕事に取りかかっておくということですね。

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