こうして11月は比較的穏やかな日々が続いた。週に1回、通院して抗がん剤治療を受けるほかは、東洋経済オンラインに闘病記を書いたり、他媒体の原稿を書いたりといった日常が戻ってきた。ステージ4のがん患者にしては上出来の日々だろう。
そうしたなか、ふと一抹の寂しさを感じることがある。膀胱がんで亡くなったキャスターの小倉智昭さんも語っていた「男性機能の喪失」だ。膀胱全摘出時に周辺の精嚢や前立腺も摘出したからである。
手術直後は手術が無事に終わり、頻尿、血尿ともおさらばの落ち着いた日常が戻ったことで、男性機能のことなどすっかり忘れていた。数週間経過し、落ち着いた日々の中で何か物足りなさを感じた。それが男性機能喪失の現実だった。
CT撮影で異変が
そんな平穏な日々に新たな不安材料が登場した。12月上旬のことである。パドセブ投与の効果を確認するため、CT撮影を行った。判定の所見が手元にある。ポイントを列挙してみよう。
ここまでは良好だ。問題は次のくだり。
そしてこう診断している。
肺への転移は縮小傾向にあるものの、新たに腰骨などへの転移が見られるというのだ。
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