ホンダ「CR-V e:FCEV」水素で走るクルマの現実味 水素ステーションの絶対的な不足と水素価格高

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基本的なスタイルはハイブリッド車と同様。ただし、FCスタックの搭載にあたり、フロントオーはーバングが110mm延長される
基本的なスタイルはハイブリッド車と同様。ただし、FCスタックの搭載にあたり、フロントオーバーハングが110mm延長される(写真:本田技研工業)

CR-V e:FCEVのベースは、アメリカ市場でホンダ最多販売台数を誇るドル箱的存在の「CR-V」。1.5Lターボ(車両重量1520kg)、2.0L e:HEV(シリーズハイブリッド)(同1700kg)、2.0L PHEV(同1800kg)、そしてCR-V e:FCEV(同2010kg)と、すべてのパワートレーンをひとつのシャーシで成立させたマルチプラットフォームを採用する。

e:FCEVでは車両前部にアルミバンパービームを新作としつつ、水素タンクを抱えるリアフロアでは後面衝突に対応させたが基本骨格は全パワートレーン共通。

ハンドリング性能はさすがホンダだ。ガソリンハイブリッドモデルに対して重心高を11mm下げ、前軸荷重を0.8%増加。ダンパーは振幅感応型として連続可変的な減衰力を生み出しつつ、スプリングのバネレートを上げて重量増加に対応。大きな入力(路面の凹みなど)に対しても鉛直方向の揺れは一発で収束。後輪サスペンションの取り付け部にはリアスプリングベーススティフナーで剛性を高めた(タイヤはハンコック Kinergy GTでオールシーズンタイプ)。

GMと共同開発したFCスタック

水素タンクは、後席の下に1基、ラゲージルームに1基の合計2基搭載する。そのためラゲージルームに段差ができてしまうが、水素タンクを棚状の平らな面で覆うことで収納スペースを最大限に広げている
水素タンクは、後席の下に1基、ラゲージルームに1基の合計2基搭載する。そのためラゲージルームに段差ができてしまうが、水素タンクを棚状の平らな面で覆うことで収納スペースを最大限に広げている(写真:本田技研工業)

中枢のFCスタックはホンダとGMによる共同開発。新たにモジュール化されたFCスタックは「e:FUEL CELL」を名乗り、出力92.2kWを誇る。CR-V e:FCEVでは2本の水素タンク計109Lに70MPaの水素(約4.3kg)を充填(3分間)する。

水素タンクを搭載しているがラゲッジルームは使いやすい。さすがにベースのCR-Vよりも狭くなるが、円柱型の水素タンクを平らなボードで覆うことで、その上部も積載スペースとなるように工夫を凝らした。

次ページ将来的に水素価格が1/3になれば魅力的な存在に
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