「4浪で上智合格」プロ野球の夢破れた彼の奮起 高校は野球強豪校、力の差を目の当たりに…

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こうして上智大学に入った鹿瀬さんは「新しく人生かけて頑張る道として起業を選んだ」こともあり、1年で中退して起業を決断します。

1年間で500冊の本を読み、書き溜めた起業アイデアはゆうに100を超えていました。ビジネスコンテストにも2回出て2回とも優勝しました。そんな状況の中で、すぐに起業したいと思ったそうです。

そこで鹿瀬さんは、SNSでのデジタルマーケティングに目をつけ、数あるSNSの中でも、特にYouTubeに特化しようと決めて株式会社TEMPERを創業します。

「2019年当時は、限られた企業しか自身のチャンネルをもっていない状況でした。でも、YouTubeの年代別利用者数など諸々のデータを読み解くと、10代から40代に関してはすでに、SNS含むインターネット総利用時間はテレビの総利用時間を越えていたのです。

インターネットの利用時間の多くはSNS利用ですが、LINEはコミュニケーションツールなので滞在時間は長くありません。だから、YouTubeこそがテレビをはじめとする既存マスメディアを超え得る影響力を持つ、次世代の情報伝達媒体であるのではないかという仮説を立てたのです。

それに対してYouTubeをブランディングや採用、プロモーションに活用している企業は非常に少なく、そこを専門にしている業者も少ない状況だったので、YouTubeに絞って企業の運用代行をはじめました。その目論見が当たり、YouTubeの黎明期から多くの実績を積んできたため、ジャンルを問わず、中・小・大手などの多くのクライアントに恵まれることができました。会社はもうすぐ創業して6期目を迎えます」

自身の浪人経験から子供を支える立場に

また現在、鹿瀬さんは自身の浪人の経験から、教育という領域から世の中に対してアプローチをしていきたいという思いも持っています。その思いを実現するため、今年9月には、崩壊しつつある教員現場を支えるために学校教師や家庭教師を育てることを目指して創業された株式会社まなびーいんぐにマーケティングアドバイザーとして加わり、日本の教育を変えていくために動き始めました。

「私自身は浪人をしていたときに、勉強の話をする相手がいませんでした。今でこそ、その経験は自分の糧になったと思いますが、勉強についていけない子どもを見ていると、自分でペース配分ができなかったりと、自分の経験がすべての人に当てはまるわけではないと感じます。

だからこそ、いい教師や家庭教師を育てる必要があると思うんです。1人で勉強をした経験がある私だからこそ、人間関係が希薄になっている今の時代に、教育を通して子どもたちの心の支えになれるように頑張りたいです」

集団主義の野球部で鍛えた気合と、個人主義の浪人で鍛えた技術で、鹿瀬さんは多くの子どもたちを支えていくのだろうと思いました。

鹿瀬さんの浪人生活の教訓:異なる領域での経験も、それぞれ何かの役に立っている
濱井 正吾 教育系ライター

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はまい しょうご / Shogo Hamai

兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。「9浪はまい」のニックネームでTwitterやYoutube、テレビ出演などを行っている。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学し、卒業。 高校時代にいじめを受けたことから、いじめっ子を社会的に偉くなって見返したいと思い、在学中から仮面浪人として受験勉強を4年間続ける。大学卒業後、証券会社に契約社員として就職したが10日で自主退職、同月中に配置薬会社に再就職。昼は会社、夜は予備校という生活に。同社退職後は受験勉強に専念し、9浪で早稲田大学に一般受験で合格し、2018年に教育学部国語国文学科入学、2022年卒業。現在はカルペ・ディエム所属。

Facebook: https://www.facebook.com/shogo.hamai/
 

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