楽天の「無人配送ロボット」都心で本格稼働開始 スタバや牛丼店と組み30分以内で配送へ

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使用するロボットはアメリカ・Cartken社製で、歩行者と同じ交通ルールに従って走行する。前後左右に設置されたカメラで周囲の状況を監視しながら、安全な自動走行を実現している。

楽天無人配送
配送ロボットは歩行者の走行ルールに従って歩道を走行する(筆者撮影)

持続可能なサービスへの道のり

2024年4月からの労働時間上限規制により、物流業界では人手不足の深刻化が懸念されている。特に、ECサイトの利用拡大や即時配送ニーズの高まりにより、ラストワンマイルの配送需要は増加の一途をたどっている。2022年1月に設立されたロボットデリバリー協会には、すでに30社以上が参画。今後、さまざまな企業による無人配送サービスの展開も予想される。

課題は収益面での持続可能性だ。経済産業省の「物流効率化に向けた先進的な実証事業」による支援を受けており、今後の収益モデルの確立が求められる。無人配送ロボットの導入には、ロボット本体の調達やシステム構築、遠隔監視センターの運営など相応のコストがかかる。「まずはお客様に使っていただく段階から始めていきたい」と牛嶋氏は述べる。料金体系の見直しも検討するようだ。

そして、サービスを拡大していくうえで欠かせないのが利便性の向上だ。現在は62カ所の指定された場所での受け取りとなるが、より柔軟な配送先の設定が求められるだろう。技術面での開発も進む。三菱電機グループでは、ロボットとエレベーターを連携させるシステムの開発を進めており、今年8月から実証を開始している。天候や夜間の対応など、サービスの安定性を高めるための技術的な改良も継続的に行われている。

三菱電機グループ
三菱電機グループでは配送ロボットとエレベーターの連携に取り組んでいる(筆者撮影)

「サービスエリアと提携店舗を順次拡大し、物流課題の解決に貢献していきたい」と牛嶋氏は展望を語る。つくばでの実証実験で得られた知見を活かし、都心での本格展開を成功させることができれば、自動配送ロボットは物流の新たな担い手として浸透しそうだ。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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