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電力カルテル事件に見る「課徴金減免」の問題点 関与した企業は自主申告で課徴金が減免される

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  • 川越 敏司 公立はこだて未来大学システム情報科学部教授

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(写真:metamorworks/PIXTA)

2023年3月30日、公正取引委員会は、企業向けの電力供給をめぐる大手電力会社のカルテルに対し課徴金納付命令を行った。中部電力と子会社の中部電力ミライズ、中国電力、九州電力と子会社の九電みらいエナジーに対する課徴金の総額は約1000億円で、カルテルへの課徴金という制度が1977年に開始されて以来最高の額となった。これを俗に「電力カルテル事件」という。

この事案をめぐって議論となったのは、カルテルを主導した関西電力に課徴金がいっさい課されなかった点である。背景には、「課徴金減免(リニエンシー)制度」がある。

課徴金減免制度は78年に米国で導入されて以来、多くの国で独占禁止政策の一環として採用されている。カルテルや入札談合に関与した企業がその違反内容を当局に自主申告した場合に課徴金が減免される制度である。日本では、06年に導入され、20年に現行の制度に改正された。なお、旧制度においても現行制度においても、1位で(最初に)課徴金減免を申請した企業は課徴金を全額減免されることになっている。

カルテルや入札談合に関与した企業の自主的な情報提供を促す課徴金減免制度は、すでに成立したカルテルや入札談合を摘発することに効果を発揮している。

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