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「シグナル」闇バイトに悪用されるアプリの正体 徹底したプライバシー保護姿勢が生まれた背景

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  • 小林 雅一 KDDI総合研究所リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授

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メッセージングアプリ「シグナル」はどのようにして生まれたのか(写真:Lam Yik/Bloomberg)

今年8月から首都圏などで相次いでいる「闇バイト」による強盗事件では、いずれも指示役と実行役らとの間で「シグナル(Signal)」と呼ばれるアメリカの通信アプリが多用されている。

シグナルは「エンドツーエンド(最初から最後まで)の暗号化」や「一定時間後に自動的にメッセージが消去される機能」など極めて秘匿性の高い通信アプリとされるが、いったいだれが何の目的でこうした特殊なツールを開発したのだろうか。シグナル誕生に至る経緯などを中心に追ってみよう。

権威に抗う若者によって開発された

シグナルはもともと、アメリカの暗号ソフト開発者モクシー・マーリンスパイク(本名:マシュー・ローゼンフェルド)氏を中心とする「オープン・ウィスパー・システムズ」という非営利団体によって開発された。正式に公開されたのは2014年7月のことだが、当初はiPhone用の通信アプリとしてリリースされた。

マーリンスパイク氏の生年月日は公表されていないが、アメリカメディアの報道によれば1980年代初頭にジョージア州で生まれたとされるから現在は40代半ばと見られる。188センチの長身でやせ型の白人男性だ。

彼はジョージア州の小さな町に生まれ、おおむね母親の手で育てられたとされる。また「モクシー」は幼少期のニックネームで、「マーリンスパイク」という奇妙な苗字は後に自分で勝手につけたらしい。

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