好景気だと?米国在住者が語る「物価高の厳しさ」 NYの平均家賃は約80万円、夜の街も閑散
家賃に加え、「人」と「物」の値段までが高騰しているのだから、当然店を経営する側も苦しい。実際、コロナ禍以降、シカゴでも多くのレストランが休業に追い込まれた。
私の家の徒歩圏内でもここ数年でイタリアン、ラーメン、フォー、ポキ、タコス、中華にタピオカ、アイスクリームの店が閉店した。そして恐ろしいことに、数年が過ぎてもそれらの店舗の跡地には「For Lease(テナント募集)」の看板が掲げられたまま、次のテナントが入らず、空き家になっている。
生き残ったレストランも営業時間の変更を余儀なくされた。スタッフを深夜まで拘束する余裕がなくなった多くの店が、ラストオーダーの時間を大幅に早めた。
その結果、現在夜の9時半を過ぎて食事のできるレストランを探すことは至難の業だ。平日の夜、10時を過ぎたシカゴの街は驚くほどに静かだ。それでも何かを食べたいとき、日本のようになんでも揃うコンビニがあればと郷愁にふける。
人気コンビニが突如、全店閉店
実は、数年前ついにシカゴにも便利なコンビニが登場した。「フォックストロット」と名付けられたその店は、さながらもとの言葉が指し示すダンスのスタイルのように軽やかに、そしてスピーディーに店舗の数を増やしていった。
酒類の宅配専用アプリとして始まったフォックストロットは、コロナ禍でサービスを拡大させ、4年間のうちにシカゴだけで15店舗をオープンし、ウエストループに荘厳な本社ビルまで構えた。
まさにジェントリフィケーションの進む高級エリアの一等地に軒並み出店を続け、富裕層を取り込んだ店舗経営を行った。おしゃれな惣菜やワインを取り揃え、カフェも併設した店舗では連日ビジネスパーソンたちがパソコンを広げたり、ワイングラスを傾けたりしていた。
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