家で観る映画に迷ったら…週末の「気分別」3作品 エンタメ、社会派、ヒューマンドラマを楽しむ秋

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これまで誰も見たことがないような、強烈な父親像を演じた佐藤二朗を目撃できるのも重要なポイントです。格差社会をモチーフにした『さがす』で描かれるのは、一度落ちてしまったら抜け出そうとしても抜け出せない奈落のような社会構造。

『さがす』の劇中写真
映画『さがす』 ©2022『さがす』製作委員会(写真:ギャガ提供)

一攫千金を狙って生活を楽にしようと試みる危うさは、昨今SNSで仲間を募って強盗をさせる集団の危うさにも似ているかもしれません。一方で、今作が持つユーモアには暗澹たる気持ちを和らげる効果があり、その象徴となるのが関西弁のセリフ。

いっけんすると親子喧嘩をしているかのような父と娘との会話の中に、お互いに対する“思いやり”や“優しさ”を感じさせるからにほかなりません。関西におけるツッコミは、相手を放っておかない(構ってあげる)優しさなのです。

『さがす』ジャケット写真
『さがす』/Blu-ray&DVD発売中/発売・販売元:ギャガ/©2022『さがす』製作委員会(写真:ギャガ提供)

父親を探しにハローワークへと赴いた娘は、派遣先の工事現場で同僚から砂煙の向こう側にいる人物が父親だと教えられます。

しかし、「お父さん」と呼びかけた砂煙の向こう側にいたのは、掲示板に貼られていた、あの指名手配像によく似た若者だったのです。

指名手配犯の潜伏先などに既視感があるのは、いくつかの実際の事件がモデルになっているからで、やがて物語は予想外の展開を迎えます。

タイトルの“さがす”を平仮名にしたことで、広義に解釈できる仕掛けになっているのも一興。

絶望的な顛末ながら、社会の底辺から抜け出そうと試みた父親と娘の姿に、意外や意外、熱い涙があふれてしまうような作品です。

新しい挑戦への勇気をもらう『ワンダー 君は太陽』

日曜日の気分とテーマ:
仕事が始まる月曜日が見えてきて、テンションが下がり気味。元気をもらえて、明日からまた仕事を頑張れるような作品
『ワンダー 君は太陽』(2017)
Netflix/Amazon Prime Video/U-NEXT/Huluにて定額内で視聴可能(2024年11月6日時点)

この映画は、特別な顔を持って生まれた難病のために、人前に出ることが恥ずかしく、学校に行けないでいるオギーという小学生の男子が主人公。

彼の両親は、このまま家に引き篭もったままだと社会性が身に付かなくなるのではないか? と心配します。

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