こうして高崎駅までやってくると、鉄道ネットワークはここで多方面に分かれてゆく。新幹線が上越と北陸。JR在来線は西に向かう信越本線、北に向かう上越線が主役級だ。
信越本線は、もとは碓氷峠を越えて長野県に入り、新潟駅までつながっていた長大路線だ。けれど、1997年に北陸新幹線(当時は長野新幹線といった)が開通すると、ボトルネックだった碓氷峠区間が廃止されて分断。群馬県内には高崎―横川間が名ばかりながら信越本線として残された。
終点の横川駅前には、かつて峠越えの拠点だった歴史を伝える「碓氷峠鉄道文化むら」があり、また峠の釜めしでおなじみ「おぎのや」も店を構える。観光客の姿も絶えない、群馬県の魅力を体現する町の1つだ。
長野や新潟へ抜ける路線
上越線は、ほとんど上越新幹線と並んで走って上越国境を越える。利根川に沿って北へ、北へ。沼田駅付近には、利根川と片品川がつくりだした、まるで“教科書通り”の河岸段丘が広がっている。沼田以北は渓谷沿いの旅。沿線には温泉地などリゾートスポットが点在、山登りにも使われる路線だ。“日本一のもぐら駅”などとして知られる土合駅は、上越線の群馬県内最後の駅である。
列車の運転系統を見ると、水上温泉の玄関口・水上駅を越えて新潟方面に直通する定期列車は存在しない。ただし、上越新幹線が開通する以前は、東京と新潟を結ぶ大動脈であり、多くの特急列車が行き交っていた。新幹線によって役割を終えたかつての大動脈という点では、信越本線ともそっくりだ。
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