健太さんがお見合いを申し込み、翌月には真剣交際が始まった。舞子さんのほうから泊まりがけの旅行を提案するなどのリードがあり、交際開始から5カ月後である今年6月に婚約が成立した。
「私たちは今までの境遇が似ています。全然違う業界に転職した経験がある、などですね。シンプルな暮らしが好きなところも似ているなと思いました」
舞子さんに申し込んだ理由を訥々と語る健太さん。主語は「私」と堅めである。たくさんある言いたいことを理路整然と話そうとするが、遠慮がちな性格でもあるので相手が口をはさむと傾聴モードになる。2人の結婚ストーリーを彼から聞くのは難しそうだ。さきほどから目をキラキラさせながら我々の会話を聞いていた舞子さんに代わってもらおう。
彼女の心を大きく動かした出来事
「健太さんからお見合い申し込みをもらったときの感想は、年齢が近くてありがたい、でした。私は30代後半と婚活するには遅かったので、10歳以上など年上の男性とのお見合いも想像していたからです」
舞子さんのように自他への期待値を下げておくのは婚活において大変有効である。多くの人は逆のスタートを切る。自己評価が高すぎて、アプローチしてくれた他人への感謝が足りず、少し歩み寄ればつながるかもしれない縁を遠ざけてしまうのだ。
「健太さんの第一印象は『真面目そう。緊張しているんだろうな』でした。だから、会話が盛り上がったわけではありませんが、不思議と気疲れはしませんでした。話が合う人と気が合うとは限りません。恋愛では話が最初から話が盛り上がる人を選びがちなので、そこは気をつけていました」
気が合うかもしれない、と舞子さんが思ったポイントがある。健太さんは理学部卒という、ハードめの理系男子だったことだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら