東洋経済オンラインとは
キャリア・教育 #知の技法 出世の作法

クーデターの首謀者の1人・イリイン氏に会う 佐藤優の情報術(69):1991年ソ連内の北朝鮮労働者

5分で読める 有料会員限定
  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

INDEX

エストニアとの面倒な交渉を終えて筆者は1991年9月最終週にモスクワに戻った。これでリトアニア、ラトビアだけでなくエストニアとも新規に外交関係を樹立したという説明を日本ができる態勢が整ったので、ほっと一息つくことができた。

1週間ぶりに大使館3階の政務班の机に座ると、メモが十数枚、置かれていた。「アレクセイ・ニコラエヴィッチ・イリインという人が、『ここに電話をしてくれれば連絡がつく』」と書いたメモが1枚、「イリインさんから電話があった」というメモが2枚あった。

ロシア共産党第2書記だったイリイン氏からのメッセージだ。「逮捕されず、無事だったのか」と筆者はほっとした。ソ連共産党守旧派によるクーデター未遂事件からまだ1カ月半も経っていないのに、イリイン氏から8月20日昼すぎに「ゴルバチョフは生きている」との情報を聞いたのが10年以上前のように思えた。それだけクーデター失敗後の歴史が、激しいスピードで変化していた。筆者も歴史の渦にのみ込まれていた。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象