「日本で見ない日本車」ばかりのモーターショー 「GIIAS2024」で見たインドネシア自動車事情
ダイハツは「ロッキーハイブリッド」、ホンダは、「ステップワゴンe:HEV」と電気自動車(BEV)の「e:N1」。
三菱は新型「トライトン」と新型「パジェロスポーツ」、スズキはEVコンセプトの「eVX」。日産は「セレナe-POWER」をお披露目した。
三菱自動車を除く、すべての日系ブランドはハイブリッドとBEVというxEV(=何らかの電動ユニットを持つクルマ)であった。
また、ホンダと日産はミニバン、三菱自動車は3列シートのSUVと、MPV的に使えるクルマだ。つまり、今回の日系ブランドの発表は、「xEVとMPV」という内容であったのだ。
日本以外では、BEVを前面に押し出す中国ブランドの出展が目立った。ブランド名を挙げれば、ウーリン、BYD、MG、チェリー、GWM、AION、JETOUR、NETA、DFSKというもの。
さらに韓国のKIA(起亜)とベトナムのVINFASTも、BEVをずらりと並べる展示を行っていた。
ハイブリッド5%、BEV2%の市場のこれから
振り返ってみれば、ショー会場の「どこを見てもハイブリッドとBEV」という状況で、インドネシア市場で電動化が注目されていることがうかがえた。
ただし、インドネシアの電動化は、まだまだ始まったばかり。2023年にインドネシア国内で販売された100万台のうち、ハイブリッド車は5万2434台、BEVは1万7062台でしかない。ハイブリッドでようやく5%台、BEVは2%未満である。
このうち、もっとも数多くBEVを販売したのは、格安の小型BEVを扱うウーリンだ。中国ナンバー1のEVブランドであるBYDも、インドネシアではチャレンジャーという立場になる。
また、出展していた中国ブランドの多くは、まだ本格的にインドネシア市場に進出していない。上陸前のプロモーションとしての出展であった。
いまだエンジン車が主流となるインドネシアでは、中国ブランドのEVや日系ブランドのハイブリッドが「虎視眈々と普及を狙っている」、そんな状況のようだ。
これまで、現地ニーズに合わせて日本とは違うモデルで戦ってきた日本ブランド。今後はインドネシアでも電動化が進んでいくはずだが、果たして日本のようにハイブリッドが普及するのだろうか。それとも、中国勢のBEVが先んじるのか。人口2.7億人の大きなマーケットだけに、その動向に注目したい。
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